膴に非ずば、火に値せず。
の伝説
神々が地を歩みし時代
膴を持つ者あり。

獣を狩り、焔を囲み、力を宿す。
肉は神気を孕み、膴は畏れられた。

刃、及ばず。
王、従わず。
神、伏せず。

宴すなわち地を揺るがす。
やがて、闇が降り、天武、詔を下す。
「米を喰らえ」

焔は絶え、膴は忘れられ、名も音も、風に消えたり。
千二百年、肉は封ぜられた。

強き者、弱きに伏す。
飢えも火も、志も尽きた。
一粒、力を屈する。

されど、膴は息を潜めていた。
真の狩り、いまだ絶えず。
膴に非ずば、火に値せず。
膴こそ力、饗なり。

膴、いま甦る。
失われしもの、ここに還る。